最近の出来事RESENT REPORT
2014(平成26)年度
千葉大学大学院専門法務研究科長金原恭子先生が本研究科に来校され、1月に締結した両法科大学院の連携協定の内容を公開する連携記念式を執り行った。
連携授業「現代法の諸問題」の内容等につき、両法科大学院をICTテレビ会議システムで結び、相互に報告しあった。
3月25日13時より加賀市役所会議室におきまして,加賀市議会との連携協定調印式が執り行われました。加賀市議会議員の先生方が参列のもと,同議会髙辻議長と法務研究科長により,協定書に署名調印を行いました。
協定の目的は,政策法務授業の1つとして,すなわち市民の声を市議会が取り上げ,それをもとに制度化,条例等の作成等その過程を学生に経験してもらうためにエクスターンシップの受入れ等の協力体制の構築,また,修了生に対する職域拡大のためなどです。他方,加賀市議会は,本研究科教員による専門的知見により,地方創生に向けての政策的法務能力の向上を図るとともに,政策提案を行う際活用することなどが予定されています。
同日の調印式では,髙辻議長と本研究科長の挨拶の後,加賀市議会の政策提言を数年来行ってきました本研究科非常勤講師の河村准教授(東北大学)により基調講演「議会と法科大学院による連携の意義と活用について」が行われました。地方分権の時代における地方議会の存在意義,そして地方の法科大学院が地方議会に対する活用方法,その1つとして,地方議会は執行部に対抗できる法律知見をもつ必要性からも法科大学院の専門的知見を有効活用すべきであると提言されました。
その後,質問を受け,法科大学院教員から提供される専門的知見が一方的なものであるとの危惧があるが,その問題はどうするのか等が挙がり,河村氏からは,組織的な連携協定である以上,一方的な知見に偏らないように組織として機能的な情報提供のルール作りが必要であると説明されました。今回の連携協定締結後、具体的な連携制度のルール作りを行っていく予定です。
平成27年3月23日に学位記伝達式が挙行され,15名が法務研究科を修了しました。
金沢弁護士会より,来賓として,金沢大学法曹会会長 久保雅史先生,金沢大学法科大学院支援委員会委員長 犬塚雅文先生,の2名の先生方にお越しいただき,祝辞を賜りました。
引き続き,修了生,教員,来賓の先生方を交え修了祝賀会が催され,修了を祝い,また司法試験へ向けての激励やアドヴァイスなど,懇談の場が設けられました。
新2・3年生を対象とした平成27年度前期授業科目ガイダンスが開催され、各科目の担当教員から後期の授業の内容や進め方、勉強の仕方などの説明がありました。また、予習課題などの資料も配布されました。学生はこれをもとに4月開講の授業の準備をすることになります。
石川労働局労働基準部 東 好宣 監督課長を講師に迎え,本年度2回目の就職支援講演会を開催しました。 講演では、労働基準監督官の役割、その職業としての魅力などについてお話いただきました。普段なかなか聞くことができない職業に関する説明であり,法的素養を持つ法科大学院修了生の職域拡大に期待が持てる有意義な講演会になりました。
また、講演終了後,北陸銀行でのインターンシップについての説明会が行われました。このインターンシップは平成27年度から新たに行われる法科大学院独自のプログラムであり、学生はこのインターンシップにより、企業における法務の一端を学ぶことが可能となります。
金沢大学法科大学院は,修了生の職域拡大にも積極的に取り組んでいます。
2月25日午後1時から,金沢地方検察庁による体験プログラムが実施されました。前回,非常に好評だった名古屋高等検察庁金沢支部による体験プログラムの第2弾です。第2回目の今回は,さらにバーションアップされ,実際に被疑者(役検察事務官)を取調べることができる参加型プログラム「模擬取調べ」を体験させていただきました。今回は,学生9名と教員1名が参加しました。
最初に,次席検事より被疑者取調べの講義をしていただきました。今回体験させて頂いた「模擬取調べ」は逮捕後初の検事による取調べであり,被疑者の弁解の聴取を行うため,弁解録取の意義や質問方法について講義していただきました。被疑者に犯行の有無を問うものですが,被疑者が言ったことをそのまま録取するだけではなく,捜査によって明らかになった客観的な事実と被疑者の弁解の矛盾点を確認し,争点が何であるかを明らかにすることが目的であると説明を受けました。ここでは,被疑者の矛盾点をすぐに糺すことは必要ではなく,ましてや自白を得るための取調べは必要ないということでした。
次席検事による講義の後,今回用意していただいた記録を検討しました。スナックでの無銭飲酒の事案です。それも,犯人自身は,最初はコーラ,その後1,2杯のアルコールを飲酒しただけですが,そこにいた他の客にも奢るなどしたために,代金は数万円にも及び,その後代金を支払わず,店主の目を盗んで店を出ていったという事案でした。想定される被疑者の弁解を考えてみて下さいと進行役の高島検事から指示されました。警察段階で作成された被害者及び被疑者の供述録取書,実況見分調書,グラスの指紋やタバコに残った唾液のDNA鑑定書といった証拠などをもとに,想定すべき弁解を,まず個々に,そしてグループごとに発表していきます。「支払う意思はあったが、酔っていたのでそのまま帰ってしまった。」というような弁解の想定が多かったです。模擬取調べが開始します。司法修習室に用意された3つのブースに分れ,それぞれ机に椅子が用意されています。被疑者役の検察事務官の弁解を検事役の参加者が聴取します。一人の被疑者役に対して二人の検事役が取調べ,同じグループでも,被疑者は異なる弁解を行うという手のこんだものでした。最初の被疑者は,私たちが想定した弁解のように,「犯行があったとされる日,お金はもっていたが,友達から電話がかかってきて,友達がいる場所に行こうと外に出て,指定の場所までタクシーに乗っていったが,結局,店がどこにあるかわからず戻れなかった。」というもので,店主を騙すつもり,すなわち故意はなかったと否認しました。次の被疑者は,「この店に入ったことは覚えているけど,酔いざましにコーラを頼んだだけであり,他の飲み物を頼んだり,他のお客に奢った記憶はない。」と否認したものです。
前者の弁解に対しては,「所持していたお金はどうやって手にいれたのですか。」「友達は何のためにあなたを呼び出したのですか。」「翌日にも店を探そうとは思わなかったのですか。」と次々に質問が出てきます。しかし,後者の記憶がないという弁解に対しては質問の仕方がわからず,お手上げとなる参加者が多かったです。また,後者の場合,被疑者はコーラを無銭飲食したことは認めていますが,何を聴いても記憶にないとかわされてしまうと,焦って詰問調になってしまう参加者もいました。
その後,個々に弁解録取書を作成し,同事件の検事による取調べDVDを視聴しました。前者の弁解型についてのものでしたが,犯行前の状況及び犯行後の状況を丁寧に聴いており,質問は非常に整理されたものでした。その後,総務部長から講評を受けました。黙秘や後者の弁解のように,記憶にないという否認に対し,捜査の醍醐味は,創意工夫により,解明していくことにあるということでした。また,捜査段階で弁解しなかった(主張しなかった)事実が,公判で主張されることもある。したがって,どの事件でも,弁解の前足部分,すなわち犯行の前の状況を被疑者から聴取し,客観的事情を提示しながら説明させ,また後ろ足部分,犯行後の状況を説明させ,矛盾点を把握することにより解明のきっかけがつかめた時こそその醍醐味があるということでした。
平成26年度は2回にわたり体験プログラムを実施していただきました。名古屋からも応援の検事さんが来て頂け,非常に勉強になりました。今後も是非,参加したいと思います。検察の仕事を身近に感じられ,得難い経験をさせていただきました。本当にありがとうございます。
本学就職支援室の山本 均室長,本研究科修了生の竹内克昭氏(平成26年司法試験合格),及び本研究科 三浦教授(弁護士)を講師に迎え就職説明会を開催しました。
最初に,山本室長から就職活動の現状と就職支援室の役割について説明があり,法科大学院生の進路としてどのようなものがあるのか,どのように求人を探せばよいのか,どのような対策が必要かについてお話いただきました。
次に,竹内氏から,法科大学院から地方公務員への就職について,そして勤めながら司法試験の勉強を続け,今年の司法試験に合格したことについて,自身の体験をお話しいただきました。
最後に,三浦教授から弁護士の就職事情や将来の展望,また就職対策等について説明があり,能動的に活動することの重要性についてお話しいただきました。
講演・質疑応答の後は,山本室長によるキャリアカウンセリングが実施されました。
10月7日(火)および14日(火)に、「平成26年度司法試験論文式問題解説会」を実施しました。この企画は、今年度初めて行われたもので、法務研究科専任教員が、本年度の司法試験論文式試験の問題について、そのポイントや考え方、普段の学習とのつながりなどを交えつつ、各科目ごとに解説を行いました。解説の後には質疑の時間が設けられ、活発な質疑応答が行われました。
9月29日,北陸銀行経営管理部と金沢大学法科大学院(法務研究科)がインターンシップを行うことで申し合わせました。
これは,法科大学院の学生を同銀行に派遣し,企業実務を経験してもらうもので,同大学院が企業に学生を派遣するのも,同銀行が法科大学院生を受け入れるのもはじめてのこと。同大学院としては,法律に優れた知識を有する人材を育成していることを企業等にもアピールし,法曹界以外への就職支援の足掛かりと位置付けています。また,同銀行としても,更なる有能な人材確保につながることを期待しています。
今後,双方で受入・派遣に関して具体的に調整することとしており,さらに現役大学院生ばかりではなく,修了生にも対象を広げることを検討しています。
2004年4月に開設した本学法科大学院が10周年を迎えることを機に,「地域社会と法 ―私たちの暮らしの中の法律問題―」と題し,法科大学院で行われている教育の一端を公開するとともに,地域の皆様との交流を目的として開催しました。
金沢大学法曹会 久保雅史会長の挨拶の後,髙島麻子教授,舟橋秀明准教授,越後純子特任准教授に講演いただいた。
髙島麻子教授は裁判員裁判について,裁判員に選ばれた時の心構えや,実際の裁判員裁判がどのように進んでいるのかなど,検事としての経験談を織り交ぜながらお話しいただいた。
舟橋秀明准教授は,法的なものの考え方について,法律が身近なものであること,数字などのように明確な「1つの答え」があるわけではないということを,日常起こり得る具体的な事例(土地の境界線について)を取り上げてお話しいただいた。
越後純子特任准教授は,医師でありながら法曹を目指ざしたきっかけや,弁護士となってからは医療人ではなく弁護(患者)の立場に立って物事を見られるようになり,相互のギャップを理解し,アドバイスできるようになったなどのお話しをいただいた。
最後に村中孝史 法科大学院協会副理事より閉会のご挨拶があり,法曹養成制度の現状と,法科大学院が引き続き法曹養成の重要な役割を担っていくというお言葉をいただいた。
9月23日(火)に,「司法試験合格者との懇談会」が開催され、本年度、本学から合格した6名全員にご出席いただきました。研究科長の挨拶の後,合格者から在学時の勉強方法,お薦めの教科書,試験中の体験談等についてお話しいただきました。
その後,部屋を2つに分けて学年ごとの懇談会に移行し,より詳細かつ率直な質疑応答が行われました。さらに,在学生等が各部屋を自由に移動して,直接お話を聞きたい合格者との懇談の場が設けられました。合格者の勉強方法や受験時の体験談などについてたいへん参考となるお話をうかがうことができ,在学生にとって、今後の学習計画立案のために、実際的かつ有効な情報を得ることができたのではないでしょうか。
懇談会後には合格祝賀会が盛大に催され,司法試験合格を祝福しました。
9月4日午後1時より名古屋高等検察庁金沢支部による体験プログラムが実施され,本研究科学生13名・教員2名が参加しました。名古屋高等検察庁総務部長のご挨拶の後,金沢支部長の講義が行われました。
この講義は,刑法判例百選Ⅱ(第6版)の2の事件を実際に捜査した経験から,検察官主導の難事件―被疑者が自殺教唆は認めているが,被害者から金員の返済を免れるため,欺罔し自殺させたとして,二項強盗殺人罪(間接正犯)で起訴した事件―の捜査方法について授業して頂いた。1年生にもわかるように,刑事手続の流れに沿って,警察をコントロールして証拠を押さえていく過程を一つ一つ臨場感あふれる描写で説明,解説して頂いた。
次に,検察庁施設見学に移り,取調べ室,接見室などを見学した。取調べにおける録画のためのビデオカメラの設置位置や撮影状況等を見ることができた。
最後に総務部長と高島検事により送致事件の記録を検討する演習授業に移った。ある現住建造物放火事件をモデルに作成された実況見分調書や現場写真という客観的証拠に対し,被疑者の取調べを録画したDVDを視聴し,補充捜査あるいは,2回目の取調べ(実際は3回目の取調べ)にするべき質問(犯人性,構成要件該当性,放火の故意等)を考えるというものであった。この取調べDVDは検察庁作成のものであったが,被疑者役の検事の方のリアルな演技に驚嘆の声が上がり,演習授業の充実性もさることながら,取調べDVDの第2弾が見たいとの声が受講生から上がった。
非常に盛りだくさんで,充実したプログラムであったが,若手検事との懇談会では,たまたま前日までの9月2日・3日に本研究科学生の多くが傍聴した金沢地裁の裁判員裁判の担当検事の方であり,いろいろな話を聞くことができた。
名古屋高検金沢支部の関係者の方々,本当に充実したプログラムをありがとうございました。
平成27年度本学法科大学院進学説明会を6月24日に、本学(角間キャンパス)人間社会第2講義棟4階演習室で実施しました。
参加者には,本学法科大学院案内パンフレット,入試募集要項等をお渡しし,それらをもとに,(1)本学法科大学院の基本理念,カリキュラムの特徴,各種奨学金,および(2)平成27年度入試の概要について説明しました。説明会終了後,法務研究科図書室,自習室,法情報実習室,討論室等の法科大学院内の諸施設を見学し,模擬法廷室における「模擬裁判」の授業見学会を行いました。
日頃より多大なご支援を頂いています金沢大学法曹会から,今年度も在学生全員にコピーカードが贈られました。
5月12日(月)に金沢大学法曹会から久保雅史会長,松田光代弁護士,犬塚雅文弁護士をお迎えし,コピーカード贈呈式を執り行いました。
久保会長から佐藤研究科長にコピーカードが贈呈され,『法科大学院をとりまく状況は厳しいが,金沢大学法曹会としても引き続き支援していきたい。』とのお言葉を頂戴しました。
翌5月13日(火)には,学生へのコピーカード贈呈式を行い,佐藤研究科長から各学年の代表者にコピーカードが手渡されました。
平成26年度入学者オリエンテーション、1年次前期授業科目ガイダンスおよび講演会がおこなわれました。
今年度の入学者を対象として、本学教員(アドバイス教員)の紹介に続き、入学者オリエンテーション及び前期に開講される1年次配当科目についてのガイダンスが行われました。
ガイダンスの後には、本校の修了生で、現在、石川県内で活躍されておられる3人の弁護士の先生をお招きし、講演会が開催されました。
早川 潤 弁護士からは、金沢弁護士会の全面協力のもとで実施されている学習支援制度についてご説明いただいたあと、勉強方法、勉強に際しての心構えについてお話しいただきました。
北村 勇樹 弁護士からは、弁護士チューター制度について概説いただいたあと、他学部卒業生という自らの実体験を踏まえた勉強方法、心構えについてお話しいただきました。
石川 宏一朗 弁護士からは、弁護士チューター制度についての具体的なお話しに続いて、勉強方法、さらには「議論」の重要性についてお話しいただきました。
いずれのお話しも、新入生だけでなく、会場に詰めかけた在学生にとってもたいへん有益な内容であり、今後の勉強に参考になることばかりでした。