修了者の声VOICE OF ALUMNI
修了者からのメッセージ
法曹を目指したきっかけ
私が法曹を目指したきっかけは、高校生の時に放送していたドラマでした(司法修習生を題材にしたもの)。
きっかけはありきたりですが、しかし今では、地元に貢献できるように日々頑張っています。
地方での弁護活動
私は、金沢での司法修習を終えた後、石川県の能登地方に位置し、出身地でもある七尾市で弁護士業務を始めました。ここでは、地方での弁護士業務についてご紹介したいと思います。
相談に来られた方からは、ときどき、「先生は何を専門に取り扱っているのですか?」という内容の質問を受けることがありますが、これに対しては、「専門というものはなく、できることは何でもやっています。」という返答をしています。
七尾を含め、地方には十分な数の弁護士がいるわけではなく、また、高齢化が進む中で、特定の分野を専門的に扱っている遠くの法律事務所まで足を運ぶことが難しいという方も多くいることから、多くの方に法的なサービスを提供するためには、多様な業務をひとりで行う必要があるというのが実情です。こういったところが、大都市の法律事務所と大きく違うところではないかと思います。
また、意外に思われるかもしれませんが、最近ではM&A(合併と買収)を含む事業承継の相談に関わる機会も多くなっています。M&Aといえば、大企業が行うものというイメージがありますが、地方の場合には、後継者不足によって廃業を選択せざるを得なくなった中小企業や個人事業主が増えてきており、このような場合に他の企業に事業承継ができないかということが、ひとつの大きな課題となっているところです。その課題の具体的な例としては、社長さんが会社の債務を連帯保証していることや、事業を承継しようとする後継者に資金力がないために会社の株式を引き受けることができないことなどを原因として、後継者となるべき人が見つからない、あるいは、候補者がいたとしてもスムーズな事業承継ができない、といったことがあります。
しかしながら、中小企業や個人の事業には、魅力的な事業がたくさんあり、後世に残しておくべきと思われるものがたくさんあります。こういった事業承継に関わることも地方の弁護士の特色ではないか、と思います。
おわりに
これから、ますます高齢化が進む中で、以上のような問題は増えていくと思われます。これから法曹として活躍することを予定し、金沢大学法科大学院への入学を検討している皆さんと、いつか一緒に仕事をすることができる日が来ることを願っています。また、地方の将来のために頭を悩ませている弁護士がいるということを頭の片隅にでも置いてもらえると嬉しく思います。
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