修了者の声
VOICE OF ALUMNI

修了者からのメッセージ

写真 氏名:竹森 現紗
入学年:2004年
修了年月:2007年3月
現在の職種:弁護士(第二東京弁護士会)

入学に至るまでの経緯

 私は、福井県で生まれ育ち、高校卒業後は、慶應義塾大学の総合政策学部に進学しました。一応単位は取れる程度に大学には通い、商法を学ぶゼミにも所属していて、そこには会計士や弁護士を目指す人が多かったので、私もなんとなくそういった勉強をしたりしていました。しかし、卒業後の職業について具体的に決めていたわけではなく、就職活動が始まると、とりあえず名前を知っている大企業にエントリーしました。しかし、エントリーシートで志望動機と言われても、「有名な会社だから」「なんとなく興味があったから」という程度で、それ以上何も出てこなかったし、自己PRもうまく書けなかったので、それならまずは自分が本当に何をしたいのか、改めて突き詰めて考えてみることにしたのです。そして、どうせ働くなら「人が究極に困った時に力になれる仕事がしたい」という考えに行き着き、ちょうど新司法試験制度として、卒業の翌年から法科大学院ができるタイミングだったこともあり、弁護士を志すことに決めました。実家からの経済的援助が見込めなかったため、卒業後1年間は家庭教師などのアルバイトをしながら法科大学院の試験勉強をして過ごし、地元北陸に唯一創設された国立大学である金沢大学の法科大学院に、奨学金を借りて進むことにしました。

私と金沢大学法科大学院

 法科大学院進学後は、授業には毎日出席し、必要最低限の予習だけはこなしつつ、クラスメイトとカラオケをしたり、ドライブをしたり、金沢での学生生活を満喫しました。大学院での授業は、基本書を使用した基礎的なものでしたので、一から丁寧に法律を学ぶことができました。都会の法科大学院と違って、一学年の人数も少なかったため、生徒同士の仲も良く、先生方との距離も近かったため、質問なども授業時間外でも気軽にできる雰囲気でした。実務家教員の先生方も、熱心に指導をしてくださって、週末にゼミなどを開催してくださったり、飲みに連れていってくださったりしていました。法科大学院在学中には、学校の授業だけでなく、夏休みを利用して都内の大手渉外事務所のサマークラークなどにも参加しました。交通費や宿泊費を負担してもらえる制度があったため、地方からの参加でも大きなハードルはなく、参加することができました。私は入学当初から、試験に合格した後は、東京で働きたいという気持ちがあったので、金沢大学の法科大学院に入学した当初は、地方の法科大学院に進学することについて、「やはり情報が多い都会の法科大学院に進学したほうがよかったのでは、、、」という不安もありましたが、振り返ってみると、のびのびと勉強に取り組める環境に身を置いた3年間はとても良かったと思います。

修了後の進路について

 法科大学院を修了後は、司法試験に合格し、京都での司法修習を経て法科大学院時代にサマークラークをしていた東京の大手渉外事務所に弁護士として就職しました。そこでは、ジェネラルコーポレートと呼ばれる企業法務全般の仕事をするチームに配属されました。医療系の仕事を希望していたため、薬事法が絡む仕事にもたずさわらせてもらいつつ、渉外案件やM&A、一般企業法務をメインに扱いました。突然英語の契約書のリーガルチェックを依頼されたり、金曜日の夜に月曜日の朝までの仕事を依頼されたり、初めのころは、分からないことだらけで、深夜も土日も働くのが当然といった生活でした。当時は、仕事に振り回されていて、がむしゃらに働いていましたが、そのような環境の中に身を置いて働けたことは、とてもいい経験だったと思っています。その後、いくつかの事務所を経て、2013年に銀座でアリシア銀座法律事務所を開業しました。現在は、もともと取り扱っていた企業法務に加えて、離婚と相続も主要な取り扱い分野にしています。アリシア銀座法律事務所には、辛い思いをされたり、悩みを抱えてご相談に来られるお客様がたくさんいらっしゃいます。そんなお客様の想いを汲み取って、少しでも力になりたい。そんな気持ちで、仕事に取り組んでいます。また、「弁護士」や「法律事務所」は、まだまだ一般の方には敷居が高いと感じられがちなので、弁護士をもっと身近に感じていただけるよう、現在は、セミナーやメディア露出、デパートでの法律相談など、一般の方に弁護士を身近に感じていただけるような仕事にも力を入れています。

メッセージ

 私もそうでしたが、法科大学院進学時点で、将来のビジョンについて、明確に決まっているという方は意外と少ないと思います。また、日々の勉強や仕事の中で、徐々に将来のビジョンが見えてくる場合もあります。私自身、先輩の先生方には、温かく接してもらいましたし、今でもいろんな話を聞いてもらったりアドバイスをもらったりします。どこまで力になれるかわかりませんが、入学された後、ロースクール生活でも受験勉強でも就職活動でも悩んだり相談したいことがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。