修了者の声
VOICE OF ALUMNI

修了者からのメッセージ

写真 氏名:大嶋 功
入学年:2007年
修了年月:2010年3月
現在の職種:弁護士(法テラス三河法律事務所)

法科大学院に入学するまで

 私は高校時代、数学が大好きで数学ばかり勉強していました。数学オリンピックを目指し、1日中数学を勉強していて、理系クラスに所属していました。
 大学に進学するに当たり、将来は、数学の研究者になれたらいいなと考えており、弁護士や裁判官といった法曹になるとは全く思っていませんでした。
 大学は、理学部数理自然情報科学科(いわゆる数学科)へ進学し、日々学んでいましたが、大学で学ぶ数学の難解さと自分の能力のなさから、数学の道へ進むことは、早々に諦めてしまいました。
 大学卒業を控えて、数学が好きで数学科に進学したのだから、カレーが好きな私は、カレー屋さんに就職するべきだと考え、愛知県一宮市を本社に置く、某カレーチェーンに就職することになりました。
 就職してからは、カレーチェーンの直営店舗で店員として働く日々でした。一日の労働時間が長いため辛い時もありましたが、私にとっては、毎日毎日カレーを食べることが出来る最高の職場でした。
 しかし、6年半勤めたある日、腰痛のため立てなくなってしまいました。当然仕事をすることはできず、リハビリのため退社することになってしまいました。

法科大学院に入学してから

 リハビリをしていたとき、私は1冊の本に出会いました。その本は、「ひまわり弁護士」(村田信之、講談社)というタイトルで、紋別ひまわり基金法律事務所に赴任した松本三加先生の活躍を紹介したノンフィクションです。
 この本に出会うまでの私は、弁護士というのはお金を儲けるために働いていると思っていましたが、この本を読んでからは、弁護士は社会をよくするために働いているのだということがわかりました。
 また、この本に出会ったころ、新聞でロースクール制度が出来たということを知りました。さまざまなバックボーンを持った多様な人材を受け入れるためにロースクール制度が始まったことを知り、法律の勉強などしたことの無い私でもチャレンジできる制度であることを知りました。
 転職するなら、お金のためじゃない仕事をしたいと考えていた私は、ロースクールを目指すことになりました。
 法律については、何一つ知識がなかった私は、ロースクールに入学して、大学時代に法律を勉強していた同級生との差から絶望しそうになりました。
 しかし、大学時代、数学では知識より考え方を学ぶことが大切だと教えられてきたこともあり、法律でも知識より考え方を学ぶことが大切であると信じて勉強を続けていると、だんだん法律の考え方を理解できるようになりました。
 そして、卒業時には、なんとか司法試験で戦えるレベルまで法律を理解することが出来ました。
 また、ロースクールの授業の予習復習と並行して、択一の問題を解き、論文を書くなど試験勉強も行いました。

司法試験に合格してから現在まで

 司法試験に合格してから、名古屋で司法修習をし、名古屋の法律事務所に就職しました。
 今は弁護士として、日々、実務をこなしています。刑事や家事など様々な事件がありますが、その中で特に関心があるのは、外国人の事件です。
 日本にいる外国人の中には、トラブルに巻き込まれたとき、日本の法律が分からないどころか、日本語すらわからなくて対処できない状態になっている方がいます。このような外国人の方と一緒に問題解決ができたときが、弁護士になってよかったと思う瞬間です。
 私は、名古屋で修行した後、弁護士過疎地域である長崎県壱岐市にある法テラス壱岐法律事務所に赴任し、司法へのアクセス障害解消のため、働いていました。
 2020年3月からは、法テラス三河法律事務所へ異動となり、現在は、従前から関心のあった外国人の事件にも取り組んでいます。