金沢大学大学院法学研究科は、1949年に創設された本学法文学部法学科を起源とし、法文学専攻科法学専攻(1958年)、法学研究科(1971年)、法務研究科(2004年)と発展を遂げ、2020年より法学・政治学専攻(修士課程)と法務専攻(専門職学位課程)の二専攻を擁する現在の体制となりました。創設以来、私たちは法学・政治学の研究と教育に邁進し、当初は金沢城址、1989年以降は角間の地において、多くの法曹、研究者、専門職業人を輩出してきました。
法学研究科は、「未来志向の法学」を掲げ、法を通じて公正で多様性に富み、かつ持続可能な社会の実現に寄与することを使命とします。正義や人権といった不変の理念や原則は常に尊重されるべきですが、現代社会が直面する複雑化とグローバル化に伴い、法制度や政策には斬新かつ柔軟な対応力が求められています。
私たちは、歴史的・文化的背景への深い理解を基盤としながら、科学技術、経済、環境変動といった多様な課題に目を向け、理論と実践を結びつけながら法の可能性を追求します。そして、時代の変化に即して法の理念を発展させ、変わりゆく社会における法の役割を探究し続けます。
教育においては、学生一人ひとりが高い倫理観を備え、社会貢献への志をもつ人材として成長することを目指します。基礎的な法学教育を重視する一方で、現代的な課題への応用力を養う専門教育を提供します。また、国際的視野を育むため、海外との連携を推進し、多くの学生を海外に派遣するとともに、海外から積極的に学生を受け入れ、多文化的で多様性に富んだ教育環境を整えます。
研究においては、法の本質に迫る基礎的研究と、実践的課題の解決を目指す応用的研究を両立させ、未来社会における法的基盤の構築に貢献します。さらに、地域社会との協働を通じて、理論と実務の架橋を図り、公正で多様かつ持続可能な社会の創造を推進します。
法学研究科は、「未来志向の法学」の理念のもと、変化し続ける社会に対応しながら、より良い未来を共に切り拓く学問の場として、その使命を果たしてまいります。
今後とも、皆様のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
金沢大学大学院法学研究科
研究科長 足立英彦